しばた@OHPの「ベクター・ケースファイル 1―稲穂の昆虫記 (1) (チャンピオンREDコミックス)」レビュー

虫大好き! 稲穂師匠が帰ってきた!! 「ベクター・ケースファイル」

今回紹介する「ベクター・ケースファイル」は、昨年1月に取り上げた「サイカチ 真夏の昆虫格闘記」から派生した作品だ。「サイカチ」は「週刊少年チャンピオン」で連載された作品だったが、残念なことに単行本は1巻しか発売されず、2巻以降は出なかった。ただ、根強い人気があったのか、同じく秋田書店の「チャンピオンRED」で形を変えて復活と相成った。


「サイカチ」はクワガタ大好きな小学5年生男子・真夏が、昆虫相撲にチャレンジしていくというお話だった。これに対し「ベクター・ケースファイル」では、真夏に昆虫相撲の奥義を伝授した謎の虫マニア女子高生・榎稲穂が主人公として活躍する。


稲穂師匠はいつも白衣を着て髪はボサボサ、しかも虫マニアという得体の知れない変わり者だが、中身はけっこう美人の女子高生。意外とグラマー、かつ純情でカワイイところが萌え心をくすぐり、ファンの間では根強い人気のあったキャラだ。


●虫にまつわる事件を解決する虫の名探偵

今回の「ベクター・ケースファイル」での稲穂は、その豊富な知識を生かして、身の周りの昆虫にまつわる事件を次々と解決していく。その活躍ぶりは「虫の探偵」とでもいった感じだ。例えば、友だちの中華料理屋で起きたナゾの食中毒事件、スズメバチに襲われた子どもの救出……などなど。中には虫を利用したアイドル痴漢事件といった、やけにエロっぽい事件まで含まれる。


事件における稲穂師匠の活躍は目覚ましい。普段のボーッとした姿とはまったく違う、颯爽とした姿がなかなかカッコイイ。豊富な虫知識を生かして、事件をバッサバッサと解決していく様子にあらめて惚れ直す気分。単純に虫を悪役にするでなく、虫を愛で、共存していこうとする姿勢は見ていて気持ちがイイし、稲穂の優しさも伝わってくる。作者の虫好きっぷりもヒシヒシ感じられる。


また、事件以外のときの稲穂の素顔もなかなか良かったりする。仲良しの親友であるあずさに引きずり出されてテニスをさせられたり、泳ぎに行って水着になったりするシーンには心華やく。恥ずかしがり屋で、他人に好意を向けられたときのハミカミっぷりもこれまた萌えポイントだ。親友のあずさも、メイド服姿で中華料理屋の厨房に立ったり、見ていてなかなか楽しい娘さんである。


そのほか先にも触れたが、第4話「痴漢電車のアイドル」では、虫の毒を使ってグラビアアイドルを悶えさせ、恥ずかしい写真を撮るという卑劣な事件が起きる。このシーンはアイドルの凜がハァハァ息を荒らげ、涙目で悶えたりして、やけに色っぽい。このほかにも話の端々でパンチラを織り交ぜてきたり、その手のサービスもけっこうある。「サイカチ」も意外と萌え度の高い作品だったが、この作品では青年誌に移ったということで、この手の萌え描写、ちょっとエッチいシーンも多めとなっていて注目だ。


●おまけ漫画も充実! 「サイカチ」未収録分もゲットせよ

今回の単行本では雑誌に掲載された4本のほか、描き下ろしのおまけ漫画も収録。これがなかなかサービスたっぷり。「ベクター・ケースファイル」に登場するあずさ、アイドル娘の凜のほか、「サイカチ」に登場したあさがお、アマミといった女性キャラがみんなで温泉につかって虫に関する事件のことを話し合うという内容。温泉なのでもちろんみんな裸。一部乳首モロもありというサービスぶりだ。


さらに現在発売中(2007/06/21時点)の「チャンピオンRED」2007年8月号では、「サイカチ」の単行本未収録分のうち、昆虫相撲の全国大会編である「全国大会闘虫地獄編」を集めた別冊付録が付いてくる。残念ながら未収録分を全部収録しているわけではないし、稲穂師匠の活躍も少ないけれども、2巻以降が出なくてガックリしていた人はこの機会にゲットしておくといいだろう。


漫画「ベクター・ケースファイル」1巻
作者作:藤宮泰高+画:カミムラ晋作
発売元秋田書店
発売日2007年6月20日
価格580円
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