桜ふみの「平成仮面ライダーSong BEST」レビュー

電王を含むソングベストが遂に登場! 「平成仮面ライダー song BEST」

今回紹介させていただくCDは「平成仮面ライダー song BEST」。


仮面ライダークウガから始まった平成仮面ライダーシリーズも、先日大好評のうちに放送が終了した仮面ライダー電王までで既に8作品になり、現在放送中の仮面ライダーキバで9作目、来年にはとうとう10周年になります。そんなタイミングで発売された今回のCD、テレビにて使用された番組のOPとEDをすべて収録。残念ながら劇場版や挿入歌などは収録されておりませんが、それだけでもなんとCD2枚組、ボーナストラック1曲を含め全34トラックというすごい構成になっております。


どこから切り抜いて聴いても、全部を通して聴いても、テンション上がりっぱなしになること間違いなしの正にベストというべきベスト盤。いまさら説明するまでもない、何度も繰り返し繰り返し聴き続けているトラックたちばかりですが、こうしてまた気持ちを新たにして聴くことができた名曲に敬意を払いつつ、大切に紹介して参りましょう。



●シリーズ第1作「仮面ライダークウガ」からは「仮面ライダークウガ!」と「青空になる」が収録

元クリスタルキングのボーカリストであり、独特の高音シャウトには誰もがしびれた田中昌之さんが、オープニングとは思えないほど静かに力強く歌い上げるこの曲は、その後の平成仮面ライダーシリーズの楽曲の方向性を決めるに十分な力を持っていました。


エンディングテーマは橋本仁さんが熱唱。イントロのノスタルジックな感じや、アコースティックギターの音色が、エンディングらしい雰囲気を醸しつつ、田中昌之さんに負けない高音で駆け上がっていくように歌うサビの旋律がすばらしい名曲でした。


●シリーズ第2作「仮面ライダーアギト」からは6曲が収録

我らがゴージャス、石原慎一さんの歌うオープニングテーマ「仮面ライダーAGITO」は前作クウガの雰囲気を残しつつも、よりヘビーに、より力強く、オープニングテーマとして語り継ぐに相応しい名曲。そしてもう1曲、24時間7日間ずっとアギトと一緒「仮面ライダーAGITO~24.7 Version~」。番組中、後半から展開に合わせてオープニングテーマが変わるのはよくあることですが、この曲はなんと、前期のオープニングテーマを再アレンジ、歌詞を変え、新しいオープニングテーマとして使用された、とても珍しい楽曲。この曲がどれだけの人から愛され、かつ、名曲であったか、窺い知ることができると思います。


そしてアギトにはなんとエンディングテーマが4曲もありました。電磁戦隊メガレンジャーのオープニングテーマを歌われていた風雅なおとさんの歌う「BELIEVE YOURSELF」、激走戦隊カーレンジャーの挿入歌等を歌われている坂井紀雄さんの歌う「Stranger in the dark」、石原慎一さんの歌う「MACHINE TORNADER」、RIDER CHIPS Featuring ROLLYの歌う「DEEP BREATH」の4曲なのですが、実はこれすべてエンディングテーマではなく、挿入歌。後のシリーズにおいても続く、番組後半の戦闘シーンでエンディングテーマとなる曲をバックに戦闘シーンが流れ、それがエンディングになる演出趣向もアギトが最初だったようです。そして平成仮面ライダーといったら忘れてはならない「RIDER CHIPS」の登場も本作が最初でした。



●シリーズ第3作「仮面ライダー龍騎」からは5曲が収録

雰囲気をがらっと変えたオープニングテーマ「Alive A Life」。歌唱は特撮番組のオープニングテーマに女性ボーカルが初採用、という記念に恥じない力強いボーカルを聴かせてくれている松本梨香さんが担当。この曲以降、歌詞や曲名にキャラクター名のまったく入っていない曲がオープニングテーマとして使われていくことになります。


そしてエンディングテーマはアギト同様、戦闘シーンで流れる挿入歌がエンディングテーマとして扱われており、曲はきただにひろしさんの歌う「果てなき希望(いのち)」、RIDER CHIPS Featuring 寺田恵子の歌う「果てしない炎の中へ」、きただにひろしさんの歌う「Revolution」、仮面ライダーナイトに変身する秋山連役の松田悟志さんの歌う「Lonely Soldier」の4曲。


13人の仮面ライダーが生き残りを賭けて戦うといった異色設定だったこの作品。従来の仮面ライダーファン、特撮ファンではない層へファン層が拡大した作品でもあり、「Alive A Life」と「Revolution」にいたっては、各ライダーのファイナルベント(必殺技)をコレクションした動画がユーザーの手によって作られ、その出来の高さ、ノリの良さから作品を見たことはないけれどもその動画は見たことがあり・・・この曲も知っている、そんなライトなユーザーが多い作品でもありました。そんな動画とは関係なく、「Alive A Life」も「Revolution」も、それぞれの代表曲と言っても過言ではない名曲だと思っております。



●シリーズ第4作「仮面ライダー555」からは4曲を収録

オープニングテーマ「Juntiφ's」はDA PUMPのボーカル、ISSAさんがソロにて担当。そのすばらしい高音を惜しむことなく全開し、絶唱されております。この声、このギター、このキーボード、このリズムを聴いていると頭の中でケータイを取り出し「555」をプッシュ、「スタンディンバイ」の音声と共にベルトにセット・・・なところまでが自動再生されてしまうくらい大好きな作品でもある555の、すばらしいオープニングテーマです。


555のエンディングテーマもこれまで同様、クライマックスシーンで使われているものがエンディングテーマ。石原慎一さんの歌う「Dead or alive」、RIDER CHIPS Featuring m.c.A・Tの歌う「The people with no name」、ICHIDAIさんの歌う「EGO ~eyes glazing over」の3曲が使われました。


「Dead or alive」のサビの中毒性、石原さんの声質は最高。「The people with no name」ではm.c.A・Tがそれまでの誰よりも突き抜ける高音を披露。そして「EGO ~eyes glazing over」では「The people with no name」にちりばめられた雰囲気をさらにトランス調に特化。渡部チェル&藤林聖子コンビの作品とは思えないすばらしいトラックです。555までがDisc1に収録。次のトラックからはDisc2になります。



●シリーズ第5作「仮面ライダー剣」からは5曲収録

オンドゥル語で一躍有名番組になったこの作品、辛味噌! もバッチリ収録(笑)と書くと一行で紹介が終わってしまいそうなのですが、オープニングテーマは「Round ZERO ~ BLADE BRAVE」を相川七瀬さんが担当。前出の「Dead or alive」の作曲をされた吉田勝弥さんのかっこいい、平成仮面ライダーらしい曲です。


そして後期オープニングテーマ、RIDER CHIPS Featuring Rickyが歌う「ELEMENTS」。ハイトーンボーカルにこだわり続けてきた先に起用された超絶ハイトーンボーカリスト、DASEIN解散直後のイスカンダル星人、Rickyをボーカルに迎えたRIDER CHIPSのこの曲は、なんとオリコンチャート初登場6位を記録。エンディングテーマとしてクライマックスシーンに流れていた曲、RIDER CHIPS Featuring Rickyが歌う「覚醒」、( 0M0)ダディャーナザァン役の天野浩成さんが歌う「辛味噌」ではなく(笑)「rebirth」、(<:V:>)ムッコロ役の森本亮治さんの歌う「take it a try」の3曲が収録されています。ウソダドンドコドーン!!・・・ってもう使われてる方はいらっしゃらないですよね(苦笑)



●シリーズ第6作「仮面ライダー響鬼」からは3曲が収録

ボーカル楽曲ではないので、収録されないんじゃないかと思っていたのですが、オープニングテーマ「」がちゃんと収録されています! しかも4分50秒、ちゃんとフル版で収録されております。すばらしい選択、すばらしい決断!


次のトラックは布施明さんの歌う「始まりの君へ」が収録されており、その次のトラックにはエンディングテーマの「少年よ」を収録。いままでの平成仮面ライダーのイメージをすべて払拭するかのように起用された“鬼”というテーマをベースに作られた作風、人生の年輪を力強く感じさせる布施さんのたくましいボーカル、雄大な楽曲、歌詞、すべてが「和」に集約していてとても大好きです。特に斬鬼さんのお尻とか・・・お尻とか・・・最高ですよね!! ね! ね?



●シリーズ第7作「仮面ライダーカブト」からは3曲収録

オープニングテーマは「NEXT LEVEL」。平成仮面ライダーらしさであるところのテンションの高い楽曲、ハイトーンなボーカル、それを取り戻すために楽曲を手がけたのは定番藤林&渡部コンビであり、ボーカルを担当したTRFのボーカリストであるYU-KIの実力も伴ってすばらしい楽曲になっています。


響鬼ではクウガ以来の復活となるエンディングテーマ枠があったものの、カブトではまた従来の形式に戻され、前期クライマックスシーンにRIDER CHIPSの歌う「FULL FORCE」、後期クライマックスシーンにRIDER CHIPS featuring 加賀美新の歌う「LORD OF THE SPEED」が使われていました。


ボーカリストをあえて固定せず、活動を続けてきたRIDER CHIPS、「FULL FORCE」においてはRickyをボーカルとしてメンバーに加え、さらにテンションの高い曲を聴かせてくれました。「LORD OF THE SPEED」でボーカルを担当しているのは仮面ライダーガタック、加賀美新役の佐藤祐基さん。役者ボーカルによるエンディング、という伝統も復活し、平成仮面ライダーらしいといえる楽曲が揃っていた、そんな感じのする作品でした。



●シリーズ第8作「仮面ライダー電王」からは5曲を収録

オープニングテーマ「Climax Jump」を歌っているのはAAA DEN-O form。古くは頭文字D THE MOVIEの主題歌「BLOOD on FIRE」やアキハバラ@DEEPの主題歌「Let it beat!」を歌っているAAAの、電王のためだけのユニットによる軽快なダンスナンバーです。そしてまったく同じ曲を出演者、しかも声優さんが歌うという快挙な曲「Climax Jump DEN-LINER form」も収録。


そして電王にもエンディングテーマはなく、クライマックスシーンに流れる楽曲があるわけですが、電王の場合、イマジンと呼ばれる存在が主人公である野上良太郎に憑依することによって変身できる、という設置をそのまま楽曲に反映させた展開をしており、メインの曲である「Double-Action」を良太郎&モモタロスで歌った後、ウラタロスVer、キンタロスVer、リュウタロスVer・・・とその他にも諸々バージョンが用意され、「Double-Action」だけでもかなりの数がありました。


今回はその中から代表曲になる「Double-Action」「Action-ZERO」「Real-Action」を収録。バージョン違いを含まず、主題歌全部を収録したアルバム、という趣旨においてはこのラインアップで完璧なのではないでしょうか。



●ボーナストラックには平成仮面ライダーピアノ組曲が収録!

そして最後の最後に、「平成仮面ライダーピアノ組曲」というタイトルで龍騎、555、剣、響鬼、カブト、電王のTVサイズオープニングテーマがピアノアレンジされ収録されております。


ざっと平成仮面ライダーを追っかけてみましたが、冒頭に申した通り、どれもテンションの高いすばらしい曲ばかりで、まさにBESTと呼ぶに相応しい収録曲を揃えたアルバムだと思います。


現在、平成仮面ライダーシリーズは第9作「仮面ライダーキバ」を放送中。河村隆一さん、INORANさんたちのバンド、Tourbillonによるオープニングテーマが使われています。現段階ではクライマックスシーンに流れる挿入歌はないようですが、これから展開に合わせてまた作られていくのでしょうか。いまからすごく楽しみです。


いままでに何度も何度も繰り返し聴き続けた名曲を、またまとめて聴きたい! という人にもこの名曲をまだ聴いたことがない! なんて方にもおすすめできる、正にベストといっていいこのベスト盤。視聴用としてのみならず、保存盤としての価値も高いと思います。ぜひお手にとってみてはいかがでしょうか。



平成仮面ライダー song BEST
アーティストオムニバス
発売日2008年3月26日
価格3990円
詳細はこちら



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